ふれあいの窓から 5
やれることは自分でやらせることが本人のためだと思っている私は、信じて一人で帰そうかと思ったが、なんとなく離れがたい気持ちがあり、「駅までいっしょに行こう」というと、うなずいた。
外の空気は冷たいが、太陽の光は暖かく雪を溶かしている。
散歩のようにゆっくり歩くと、ふゆのちゃんもあちこちの店をのぞきながら行く。
「うちに犬がいるよ。片目だけどかわいいよ」
と私がいうと、「田舎にもいる」と答える。
「田舎はどこ?」
「香川県」
「じゃ、新幹線で行くんだね。ぼくの田舎も四国だよ」
「四国のどこ?」香川県からまだ山を越えて行くんだよ……などと話しているうちに駅に着く。
エスカレーターをのぼったところに小窓があって、家々の屋根に積もった雪がまぶしく光っているのが見える。
私はそうっとふゆのちゃんを抱きあげてその景色を見せた。
切符売り場に来ると、赤い手提げ箱を開けてお金を出そうとする。
私はそれをとめて、自分の切符もいっしょに買った。
心配でついていくのでなく、楽しいから行くのである。
東武中田駅で京成電車に乗るには、駅を出てすこし歩く。
ちょうど入試の発表を見にいく女子中学生でこったがえしていたが、ふゆのちゃんは落ちついた足どりで歩く。
入試があったということは2月か3月くらいなのでしょうかね?
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