ふれあいの窓から 6
料金表を見ていると、「七十円」と私にいう。
二人で電車の窓から外をながめながら、またぽつりぽつりと話す。
「一人で電車に乗ったことまえにもあるの」
「うん、四回ぐらい」
「こわくなかったの」
「うん」
「家の近くで知っている人はいないの」
「いる。おじいちゃん」
「えッ、おじいちゃんがいるの。なにやっているの?」
「時計屋さん。ネックレスも売ってる」
「電話番号、知ってたら教えて」
「うん……」青砥駅でせまい長い階段をおりてべつの線に乗りかえる。
ここからは一駅なので今度こそ別れることにした。
「また遊びにおいで」というと、「うん」といってくれた。
手を握ってさよならをいって電車に乗せる。
ちょうど、反対のホームに私の乗る電車が来たので乗ると、ふゆのちゃんが小さな手を振ってくれている。
ドアが締まり、動きだしても振っている小さい手が私の目に焼きついた。
とうとう笑顔は見せてくれなかったが、すばらしいプレゼントをもらった私は、いまでもたいせつに思いだしている。
幼いのに心を閉ざしはじめたる
冬乃ちゃんを送りて歩く雪道
なぜか、冬の話なのに、どこか心が温まるような感じがするのは何故でしょうか?